大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和38(オ)364 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人岡良賢の上告理由第一点について。

所論は、原審の事実認定を非難するものであり、結局において、事実審の裁量に

委ねられた証拠の取捨と事実の認定を攻撃するにすぎず、採用することができない。

同第二点について。

手形の裏書のうちに偽造があるからといつて、その連続を欠くものとはいえない。

手形受取人の表示は、その同一性を認識できるかぎり、氏名以外の商号、通称また

は雅号などを記載しても差しつかえない。原判決が本件手形について裏書の連続が

あると判示したのは、正当として是認することができる。また、原判決は本件手形

に裏書の連続があると判示しているから、所論のような判断遺脱はない。論旨は、

独特の法律的見解に立つて原判決を非難するにすぎないもので、採用することがで

きない。

同第三点について。

所論は、被上告人が本件手形の直接の前者である訴外Dから手形金の内入として

すでに七万円の弁済を受けたと主張するが、そのような事実は、上告人が原審にお

いて主張しないばかりでなく、記録上被上告人が第一審の本人尋問でそのような事

実を供述したことも認められないから、論旨は前提を欠くものといわなければなら

ない。

また、原判決は、所論のように本件手形が被上告人の手にあるから本件手形の裏

書の連続があるといつているのではなく、本件手形(甲一号証の一)の記載自身に

裏書の連続が認められ、その手形が控訴人(被上告人)の手にあることからして、

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控訴人がその所持人と認められると判示していること明白であるから、この判示を

非難する所論は、原判決を正当に理解しないものである。また、原判決が「被控訴

人の本訴請求は理由がある」とした部分の「被控訴人」とあるのは、「控訴人」と

すべきところを誤記したものであつて、それは原判決文で明白であるから、原判決

には所論のような理由不備の違法はない。その他の論旨も、原審が適法にした証拠

の取捨、事実の認定の非難にすぎず、採用することができない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 横 田 喜 三 郎

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 斎 藤 朔 郎

裁判官 長 部 謹 吾

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